カーボンナノチューブ複合材料の開発
カーボンナノチューブ(Carbon NanoTubes, CNT)は極めて強靭な機械的特性や高い熱伝導特性を有し、CNTを用いた複合材料は金属やセラミックスの機械的、機能的特性を飛躍的に向上させると期待されています。しかしこれらの特性を向上させるためにはCNTを金属母材中への均一に分散させることが必要不可欠です。
粉末冶金プロセスによる母材中へのCNT分散に成功し、銅や銀など高熱伝導率を有する金属との複合化により熱伝導特性の向上に成功しました。
また、フレキシブルな熱電変換フィルムを実現するため、CNTがフレキシブルフィルムを形成することが可能なことを利用し、熱電変換材料の中でも比較的軽量なMg2SiとCNTの複合ナノ粉末を提案しその合成方法を開発しました。
発表論文等
- Multiwalled carbon nanotubes as a contributing reinforcement phase for the improvement of thermal conductivity in copper matrix composites
Seungchan Cho, Keiko Kikuchi, Takamichi Miyazaki, KentaTakagi, Akira Kawasaki, TakayukiTsukada
Scripta Materialia, 63 (2010) pp. 375-378.
- Synthesis of n-type Mg2Si/CNT Thermoelectric Nanofibers
Keiko Kikuchi, Kodai Yamamoto, Naoyuki Nomura, Akira Kawasaki
Nanoscale Research Letters, 12 (2017) 343.