2022.5.24 代表 菊池圭子の論文「積層造形用粉末床の実験とシミュレーションによる研究」が、一般社団法人粉体粉末冶金協会の論文賞を受賞しました。
Powder Analysisでは、最先端の研究開発で培った経験と知識に基づき、粉末冶金・複合材料設計分野における専門的なコンサルティングサービスを行っております。
これまで長年の「経験」と「勘」に頼りがちであった材料開発分野において、計算機シミュレーションの適切な活用は、理論的な側面から材料設計を支援し、効率的な材料開発を実現すると期待されています。しかし実際の現場では理論通りの結果が出ない事が多々あるのもまた現実です。理論を尊重しつつ、開発現場や実験に寄り添ったシミュレーション環境の構築をお手伝いいたします。
Powder Analysis代表
博士(工学)
2003年3月 東北大学大学院工学研究科博士課程修了.
2003年4月 東北大学大学院工学研究科助手(現在の助教).
2006年6月 大学を休職。University of Washington(米国)にて博士研究員.Mg2Si系熱電変換材料の合成に関する研究に従事.
2007年10月 帰国.東北大学大学院工学研究科助教に復職.カーボンナノチューブ(CNT)複合材料に関する研究、規則性ポーラス体のみかけヤング率の推定に関する研究、金属積層造形におけるリコーティングプロセスシミュレーションに関する研究等に従事.
2019年3月 東北大学を退職.
2019年4月 PowderAnalysisを創業.粉末冶金・複合材料設計に特化したコンサルティングサービスの提供を開始.
専門分野
粉末冶金・複合材料・CNT複合材料
資格
基本情報技術者試験 合格
複合材料やポーラス材料はその内部構造、すなわち材料どうしがどのように混ざり合っているか、また、空隙がどのように分散しているかによってその特性が大きく変化します。近年、3Dプリンターの高性能化に伴い、材料の内部構造の制御が比較的に容易になったことから、材料中にさまざまな機能を意図的に配置することによる新規材料、新規デバイスの創製などが期待されるようになりました。
そこで、顕微鏡の観察画像やCTスキャン画像などから3次元の内部構造をモデル化し、有限要素法によりヤング率や熱伝導率など材料の性質を推定する方法を構築しました。
カーボンナノチューブ(Carbon NanoTubes, CNT)は極めて強靭な機械的特性や高い熱伝導特性を有し、CNTを用いた複合材料は金属やセラミックスの機械的、機能的特性を飛躍的に向上させると期待されています。しかしこれらの特性を向上させるためにはCNTを金属母材中への均一に分散させることが必要不可欠です。
粉末冶金プロセスによる母材中へのCNT分散に成功し、銅や銀など高熱伝導率を有する金属との複合化により熱伝導特性の向上に成功しました。
また、フレキシブルな熱電変換フィルムを実現するため、CNTがフレキシブルフィルムを形成することが可能なことを利用し、熱電変換材料の中でも比較的軽量なMg2SiとCNTの複合ナノ粉末を提案しその合成方法を開発しました。
(さらに…)
粉体は粒子の集合体であり、1つ1つの粒子は固体であるものの、集合体としては流体のように振る舞うため、その動きを予測することは非常に困難です。そこで粒子1個1個の衝突や動きを追跡する離散要素法(Discrete Element Method; DEM)が近年注目を集めています。DEMは粉末の混合や搬送など様々な分野における粉体シミュレーションに応用されていますが、その中でも粉末床溶融結合法(Powder Bed Fusion; PBF)への応用を試みました。
PBFは、付加製造技術(Additive Manufacturing; AM)、いわゆる3Dプリンターの一種であり、金属を含め様々な材料の複雑形状製品を作製することが可能です。一般的にPBFプロセスは、粉末床と呼ばれる薄い粉末層の形成と、レーザビームや電子ビームの選択的照射による粉末床の溶融結合の繰り返しにより構成されます。このうち粉末を薄く積層するリコーティングプロセスについて、DEMを用いた数値シミュレーションを行いました。今後、このシミュレーションを実際の粉末の動きにより近づけていくことにより、PBF可能な粉末かどうかをあらかじめ予測できると期待されます。
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