粉体シミュレーション

粉体シミュレーション

粉体は粒子の集合体であり、1つ1つの粒子は固体であるものの、集合体としては流体のように振る舞うため、その動きを予測することは非常に困難です。そこで粒子1個1個の衝突や動きを追跡する離散要素法(Discrete Element Method; DEM)が近年注目を集めています。DEMは粉末の混合や搬送など様々な分野における粉体シミュレーションに応用されていますが、その中でも粉末床溶融結合法(Powder Bed Fusion; PBF)への応用を試みました。
PBFは、付加製造技術(Additive Manufacturing; AM)、いわゆる3Dプリンターの一種であり、金属を含め様々な材料の複雑形状製品を作製することが可能です。一般的にPBFプロセスは、粉末床と呼ばれる薄い粉末層の形成と、レーザビームや電子ビームの選択的照射による粉末床の溶融結合の繰り返しにより構成されます。このうち粉末を薄く積層するリコーティングプロセスについて、DEMを用いた数値シミュレーションを行いました。今後、このシミュレーションを実際の粉末の動きにより近づけていくことにより、PBF可能な粉末かどうかをあらかじめ予測できると期待されます。

発表論文等